誰が為に、完全犯罪
「大村さん。娘さんからの相談電話に対して、
こう言ったそうですね?
【そんなもん、そいつ殺せばいいだけじゃん】と。」
「はい言いました。あの夜、アミから電話が掛かってきました。
“家に帰ってる途中”って言いながら、
泣いてたので事情を聞いたら、
“どうしようパパ”って俺に聞いてきたので、そう答えました。」
「アミさんはそれに対して何と?」
「“そんなこと出来るわけないじゃん”って興奮して電話切られました。」
「・・・・・・その後、
あなたはどうしたんですか?」
「娘が“出来ない”って言ってるんだから、じゃあ俺が代わりにやってあげようと思いました。」
「「・・・・・・・・・・・・。」」
この場に一旦沈黙が流れて、
その間に大村は味噌汁をすする。
増川と目があった後、
“続けろ”と合図を送った・・。
「それは“自供”と捉えていいですか?」
「いいですよ。」
「では、娘さんからの電話を終えた後、
あなたが取った行動について教えてください。」
「行動も何も・・アミの裸の写真を撮った男のアパートに行って、殺しただけですよ?」
「殺した時に使った凶器は?」
「彼の部屋にあった包丁です。
そこに置いてありますよ」
「「!!?」」
大村が指さした先・・
流し台の所に・・
【さっき使ったばかり】と一目で分かる、
まな板と野菜の屑と共に、
包丁が置かれていた・・・。