誰が為に、完全犯罪
「確認ですが、彼を殺した包丁でその料理を作ったんですか?」
「はい。」
「持ち去ったのは何故ですか?」
「離婚して以来ずっとカップ麺や冷凍食品ばかりでいい加減飽きたので、
最近料理始めようと思ってたんですよ。
だからちょうど包丁が欲しかったんです。」
「「・・・・・・・・・。」
「素人の僕には分かりませんが、
例の彼は料理人だったんでしょう?
アミからそう聞いていたので、彼が持ってる包丁はきっと良い物だと思ったので、
貰おうと考えました。」
「彼の家で凶器に出来そうな物を見つけた後、
そんな事まで考えてたんですか・・?」
「違いますよ増川刑事。」
「・・・・・?」
「[包丁を凶器に使ったから、ついでに貰った]じゃなくて、
【貰うついでに、切れ味を確かめたかった】だけです。」
「・・・・・・・・・・・。」
「素人の俺でも分かる使いやすさだったので、
安心して貰っていきました。」
インターホンからの一連の対応。
増川の聞き取りに対する一連の受け答え。
・・・分かるようで全く分からない、
この男が取った一連の行動。
間違いない・・・この男・・・・・。
「・・狂ってる・・・・・。」
私は心の中で留めたが、
隣に座る増川は口から言葉が出てしまった。
「狂ってる?俺は別に狂ってませんよ?」
この男は・・【PSYCHO-PASS】と呼ばれる人種だ・・。