空を舞う金魚
渡瀬くんは砂本さんと一緒に部長に挨拶をした後、課長、そして課内の人に挨拶した後、事務の千秋のところに来た。砂本さんは勿論渡瀬と千秋の関係を知らずに、千秋に渡瀬を紹介してくれる。
「綾城さん、今日からうちで働く渡瀬くんだよ。うちのチームの人間で行き届かないこともあるだろうから、綾城さんからもサポートしてもらえると嬉しい。渡瀬くん、此方事務の綾城さん。こまごまとした規則や備品の管理なんかは綾城さんに聞いてね」
そう千秋を紹介された渡瀬が、目を見開く。千秋は渡瀬に対してぺこりと会釈をした。……顔は、あげられない。
「……綾城です。よろしくお願いします」
「……、……あやしろ、……さん?」
千秋の挨拶に対して驚きの目をしている渡瀬は間違いなくあの渡瀬だった。視線を俯けたままの千秋を、動揺を胸に見る渡瀬の視線に砂本が気付いた。
「……あれ? 知り合い?」
「あ、……の」
渡瀬が何かを言いそうだったので、千秋は俯いたまま口を開いた。
「綾城さん、今日からうちで働く渡瀬くんだよ。うちのチームの人間で行き届かないこともあるだろうから、綾城さんからもサポートしてもらえると嬉しい。渡瀬くん、此方事務の綾城さん。こまごまとした規則や備品の管理なんかは綾城さんに聞いてね」
そう千秋を紹介された渡瀬が、目を見開く。千秋は渡瀬に対してぺこりと会釈をした。……顔は、あげられない。
「……綾城です。よろしくお願いします」
「……、……あやしろ、……さん?」
千秋の挨拶に対して驚きの目をしている渡瀬は間違いなくあの渡瀬だった。視線を俯けたままの千秋を、動揺を胸に見る渡瀬の視線に砂本が気付いた。
「……あれ? 知り合い?」
「あ、……の」
渡瀬が何かを言いそうだったので、千秋は俯いたまま口を開いた。