初恋キャンディ〜one-way love〜
「なっ…」

反論しようとしたその瞬間、私は彼の腕に包み込まれた。

いつもより強い柑橘系の香りが、すぐ近くでふわっと香る。

「ちょっ…!?」

「もし俺が、ひまのこと好きって言ったらどうする?」

「うぇっ!?」

「今までずっと、ひまのそばにいられたらそれでいいって思ってた。でもやっぱ無理…向日葵を一番近くで笑顔にして、隣を歩くのは俺がいい」

…え、待って待って、勇翔が何を言いたいのか分かんないよ?

「義姉弟の関係、そんなの知るか。そんな関係覆すくらい、俺が幸せにしてみせる」

え、え、あ、頭が追いつかないっ!!

「ゆ、ゆう…」

「向日葵、俺の彼女になって」

「え、えぇっ!?!?」

「ちょ、ひま!?」

ついにキャパオーバー…ショート寸前…

ドキドキしすぎたのと、

照れくさいのと、

あとびっくりしたのと…

それと、何故か嬉しいのと…

とにかく色んな感情がいっぺんに押し寄せて来て、思わず力が抜けて、ずるずると座り込んでしまった。

「そ、そんなに嫌だった!?」

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