初恋キャンディ〜one-way love〜
勇翔が好きだと自覚してから、彼の一言一言に、いちいちふわふわした気持ちになってしまう。

あ、待って、それならさっきの返事、ちゃんと言わないと、じゃない?

「ゆ、勇翔」

「ん?」

好きだと分かってる時と分かんない時では、同じ言葉でも全然意味が違う。

なんとなく真正面から見つめる勇気が出なくて、彼のワイシャツの袖をキュッと掴んで、俯きがちに彼を見上げると言った。

「えっと、大好き…私の彼氏になって…?」

ドキドキとうるさい心臓の音に、これ以上ないくらい胸が高鳴る。

同時に、頭の中で警戒音が鳴り響いた。

義姉弟だから、こんなの絶対ずるい関係なのに…

分かっていても、この、甘く疼く気持ちの正体に…

恋なんだって気づいてしまったら、自覚してしまったら、もう後戻りは出来ない。

じっと返事を待っていると…しばらくして、脱力したような、勇翔の声が返ってきた。

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