初恋キャンディ〜one-way love〜
勇翔はそう言うと、また脱力したようにしゃがみ込んだ。

目だけで私を見て聞き返す。

「ホントに…?俺、止められる気しないけど大丈夫そ?」

私はコクンと頷いた。俯いたままで彼を見上げて言う。

「いいよ、勇翔なら…さ、されたい…」

すると彼は、途端にもっと赤くなって言った。

「っあー…待ってその言い方はガチでずるいって、、、マジで、止めてって言われても出来ないから、覚悟して」

「…はい…」

言いかけてはっとする。

ちょっと待って、私、大事なこと忘れてない…?

記憶を辿って、思い当たる節を見つけて、私は叫んだ。

「あーー!!待って学校!!」

その一言に、彼も反応して、ハッとした顔をする。

「…あ」

でも、途端にニヤっと、いたずらっ子のような表情になって一言。

「サボっちゃえ…?」

いつもなら全力で否定するところだけど、今日は何故か、それでもいいかなーって気持ちになった。

今日はもうちょっとだけ、勇翔と一緒にいたいな、なんて…

まぁ、家に帰れば会えるんだけど、この時間、少しでも長く彼と過ごしたいな、って。

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