初恋キャンディ〜one-way love〜
ーーキーンコーンカーンコーン

小鳥遊くんのおかげで、何とか始業開始のチャイムと同時に、教室に滑り込むことができた…んだけど、、、

「なんだ?ふたりで仲良く遅刻か?」

先生にはそう言われるし、

「え、何!?どういう関係!?!?」

女の子たちには、避難、嫉妬、妬みの目を向けられるし…

私が若干泣きそうになっていると…

「あー、俺がサッカーでパス回そうとした時、コントロールが効かなくて歩いてた松本に当たっちゃったんで、保健室付き添ってました。」

そうさらっと言って、何事もなかったかのように席に向かう小鳥遊くん。

私も慌てて席についてから、驚いて彼を見ると、いたずらに成功した子供みたいにくすっと笑って、「ごめん」口パクでそう言った。

その仕草に、また胸がキュンとうずく。

今までも、今日だって、私は小鳥遊くんのパスが外れたところなんか見たことない。

いつも的確な指示を出して、試合の流れが確実に自分たちに向くように、敵を誘導する。

それが彼のすごいところなのに…

小鳥遊くんはさっき、あえて自分のポジションを下げるようなことを言った。

カッコ悪い役を自ら引き受けるみたいに、、、

私を守ってくれたんだよね…?

「あーもう、なんで…」

私は、ため息をついて机に顔を伏せた。

(かっこよすぎだよ小鳥遊くん…叶わないって分かってるのに、もっと好きになっちゃうじゃん…もういい加減、そろそろ諦めさせてよ)

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