初恋キャンディ〜one-way love〜
チームメイトに笑い返しながら、さり気なく彼女を見ると、あろうことが目が合う。

彼女は頬を僅かに桃色に染めた。大きな瞳は、しっかり俺を映し出している。

もしかして、今のシュート見てくれてたのかな?

彼女の視線が今は自分に向いているって、そんな些細なことでさえ嬉しすぎてやばい。

照れ隠しのつもりで笑いかけると、彼女は恥ずかしそうに目を反らした。

…ねー何その反応?そんなのされたら、誰でも期待するんだけど?

まーでも、俺の場合、まさかそんなわけないって分かってるけど…

まだ話したこともないのに、俺のことなんか視界に映してくれるはずないし。

でも少しくらい振り向いて欲しかったりするから、、、

ねー俺のこと見てよ、なんてね…

「松本おはよ」

悔しくて、なんか接点が欲しくて、すれ違いざまに挨拶してみる。

「松本〜!松本りーう!!」

反応がなかったので、フルネームで呼んでみると、彼女は驚いたようにこちらを振り向いた。

「た、たた小鳥遊くん!?!?」

初めてまともに目が合う。

好きな奴と至近距離で目が合っても落ち着いていられるほど、俺は大人じゃない。

さっきから心臓ヤベーんだけど…

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