初恋キャンディ〜one-way love〜

「…呼び方、違うじゃん」

「へっ？！」

「ルール、なんて決めたっけ？」

「え！？え、えーっとそれは…」

「ほら、りーうちゃん？」

こんな時に限って、耳元で呼んでくるとか、意地悪…

何も言えずにいると、小鳥遊くんはなんと、掴んでいた手首をグイッと引き寄せて、後ろから抱きしめてきた。

「ちょっ？！」

これでもかというくらいに近い私達の距離。

状況を理解したと同時に、とてつもなく恥ずかしくなる。

え、私今、抱きしめられてない！？

「えっ！？あ、あの、小鳥遊くん？！」

「だーから、ちがうじゃんって」

「うぇ！？」

「…早く言わないと解放してあげないよ？」

このままぎゅってしててほしいな、なーんて…

わがままな気持ちに気づいて、一人で真っ赤になる。

私の気持ちを知ってか知らずか、抱きしめる力を強める彼。

「ねー言わないの？言わないとずっとこのままだけど」

…こ、これは、言わないとヤバいかも…

嫌とかじゃなくて、この状況が続くと、私の心臓がもたない、、、

「…い」

「ん？聞こえない」