初恋キャンディ〜one-way love〜
「…あ、ありがと大好きぃ!!」

この状況下では、まさに神とでもいうべき勇翔の存在に、さっきまで素直な言葉を出さないように意識していたことも忘れて、思わずそう言うと、彼はなぜか恥ずかしそうに目を逸らした。

「そ、そういうこと軽く言うの禁止…」

「え、なんでっ?」

「だから!その、俺も一応…男だから…」

「…?」

何を今更当たり前のことを…勇翔が男子だってことは不変の事実じゃん。

え、暑さで頭おかしくなった…?

「あー…絶対今言ったことの意味理解してないだろ?」

…ず、図星、、、

「だ、だって勇翔のこと大好きなのはホントだし!」

また顔を赤くする勇翔。え、何この反応っ?

「っあー……もう分かったよ、ありがと、俺も好き」

「絶対私の方が好き!!」

なんか悔しくて対抗すると、彼はさっき以上に赤くなった。そして、口元を隠しながら目を逸らす。

「わ、わかったから!!ちょ、ストップ!朝からこれはヤバいって…これ以上はもう、ちょっと俺がヤバそ…お、送ってくから早く準備して!」

一気にまくし立てると、逃げるように外に出て行った。

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