初恋キャンディ〜one-way love〜
…なんだったんだ、今の?

私はさっきの勇翔の反応を疑問に思いながら、とりあえず、必要な教科書やノート類をリュックに詰め込むと、慌てて部屋を飛び出した。

「ごめん、おまたせっ!!」

「おせーよバカ」

家の石垣に身体を預け、退屈そうにスマホをいじっていた勇翔が、呆れたように顔を上げて、こちらを見て言った。

そんな彼に一瞬見惚れてしまう。

前から思ってたけど、勇翔ってスタイルいいよね…

今だって、さっと自転車にまたがるさりげない動作が、絵になるくらいカッコいい。

「危ないからちゃんと捕まってて」

そう言って、荷台に座る私の腕を掴んで、当たり前みたいにお腹に回せちゃうあたり、もしもこの状況に置かれていたのが私じゃなかったら、絶対意識しちゃう…

(まぁ、私も例外…とは言えなかったりしなくもない…けど?だって!い、一応女の子だもん!)

「大丈夫?スピード速すぎたりしない?」

しかも気遣ってくれるとか、もう紳士かよってレベルじゃん。

顔立ちは、なんだかんだでアイドルになれそうなくらい整ってるしさ…

ほら、すれ違う子達がみんな振り返ってる。

絶対学校でもモテるんだろうなー…

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