初恋キャンディ〜one-way love〜
それに比べて私は、どこにでもいる普通の女子高生。

唯一自慢できるところといえば、母譲りの細くて綺麗な、色素の薄い髪と、くっきりした二重くらいだよ?

これ、私が一緒にいても大丈夫そ?

ただの義姉弟ってだけの関係だけどさ…

もっと可愛い子の方が良くない?

そういえば、勇翔って好きな子いるのかな…もしかしたら彼女とかいたりして…

その子の前ではどんな一面を見せるんだろう?

きっと私の知らない一面、なんだろうな…その子しか知らない、、、

そこまで考えたとき、不意に胸の奥がきゅっと締め付けられるような感じがした。

後からチクンと痛むような…そんな不思議な感覚。

(え、何これ…)

言葉に表せない、何かモヤモヤした気持ちになる。

(ヤダ…)

ほとんど条件反射のように、急にそう思った。

何についてなのかは分からないけど、とにかく嫌だ、って…

(ホントになんなの?こんな気持ち知らない…)

誰かに対して、こんな感情を抱いたのは初めてだった。

「…ま…ひまわり!」

「…っあ、えっ?」

私が慌てて聞き返すと、彼は心配そうに私を振り返ってきた。

「さっきからずっと上の空じゃん、どした?」

うわぁ、ヤバ…感じたことのない気持ちに戸惑っていたせいで、勇翔の言葉を全部受け流しちゃってたみたい…

「え?あ、ごめん、ちょっと考えごとしてて…」

私がそう言うと、彼は呆れたように笑った。

「…ったく。あ、なに、もしかして俺のこと考えてたとか?(笑)」

「うぇっ!?」

図星だったので、思わず変な声が出てしまった。

ちょ、待って!?もしかしてエスパー!?

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