初恋キャンディ〜one-way love〜
「はぁ、ちょ、え、まじでっ?!」

私の反応を見て、何故か言い出した本人が、一番驚いた声を出した。

「な、だ、だったら何、悪い?!」

恥ずかしすぎて可愛くないことを言ってしまう私。

願ってもいないのに、勝手に顔が赤くなる。

「いや、じょ、冗談で言ったつもりだったんだけど…」

「〜〜っ!!」

「え、まじで…?」

「だ、だからそうだって言ってんじゃん!!」

恥ずかしくて、反抗的な態度を取ってしまう。

いや、こんな可愛くない態度取っちゃう私も私だけど、でも、だけど…!!

「あー…まじか、、、やべぇ…どうしよ、クソ嬉しい…」

なぜか、横から見ても分かるくらい赤くなってる勇翔はなんでですかっ?!

「あ、ち、ちなみに、俺のことって、どんなこと…?」

別に悪いこと考えてたわけじゃないから、ここは変に嘘ついて誤魔化すより、ちゃんと言ったほうがいいよね…。

私は意を決して、下を向いたまま言った。自転車を漕ぐ彼のワイシャツを軽く握る。

「えっと…勇翔って、かっこいいし気遣いも出来るし優しい、でしょ?だから、こんなに完璧な人と一緒にいるのが私でいいのかなー、とか…あと、彼女いたらどんな一面見せるのかなーとか…私には見せてくれないんだなー、とか…」

そこまで言ったところで、勇翔は突然自転車の急ブレーキをかけた。

「わぁっ!?」

下り坂に入りかけていたところでもあったため、私はその反動で思わず、ハンドルを握る彼に、背中から抱きつくような形で捕まってしまった。
< 8 / 48 >

この作品をシェア

pagetop