お前じゃないとイヤなんだ
雨の日は、キライ。
だけど……ちょっとだけ、スキ。
雨の日は、わたしが物心ついた時から片思い中の幼なじみが、傘を持ってこないおかげで相合傘できるから。
家まで一緒に帰る理由が、できるから。
高校から家までは、歩いて10分。
たったの10分。
だけど、わたしにとっては貴重な10分。
普段は別々に登下校しているわたしたちだけど、雨の日の帰りだけ、なぜか一緒に帰る。
そんなわたしたちに、基本会話はない。
でも、全然気まずく感じない。
キミは昔から基本は、無口だもんね。
小さな頃からずっと一緒にいると、さすがにもう慣れた。
だけど……何回キミと相合傘しても。
わたしの左肩が、キミの右腕に触れるたびに。
ドキドキするのは……相変わらず。