偽装結婚のはずが、天敵御曹司の身ごもり妻になりました
「残念、目が覚めた?」
クスリと婚約者が甘い声を漏らす。
我に返り、慌ててシーツを引き上げる私の頬を優しく撫でる。
「やっぱり可愛い」
「可愛く、ない……!」
なんでこの人は寝起きなのに寝ぐせひとつなく完璧な容貌なの?
しかも無駄に色気がありすぎる。
私なんて昨夜はお風呂に入っていたので、ほぼすっぴんだし、寝ぐせも酷いはず。
女子として心の底から居たたまれない。
シーツの中に必死で潜り込もうとする私を、長い腕がやんわりと阻止する。
「可愛いよ。俺にとって藍は世界一可愛い」
「なに、言って……」
甘すぎる台詞と駄々洩れの色香に充てられる。
なんで急にそんな甘い言葉を口にするの?
今までの素っ気ない態度はいったいどこへいったの?
感情の機微に敏い彼は私の心の葛藤に気づいたのか、眉尻を下げて話す。
「今まではお前との距離を保つためにわざと素っ気なくしてた」
「え……?」
「少しでも触れてしまったら平静を保てる自信がなかったから」
甘く衝撃的な告白に呼吸が止まりそうになった。
「嫌われているとわかっていても、この胸に藍を抱きしめて、思う存分甘やかしたいって心の奥底でずっと願っていた」
真摯な目が真っ直ぐに私を射抜く。
ドクンと鼓動がひとつ大きな音を立てた。
クスリと婚約者が甘い声を漏らす。
我に返り、慌ててシーツを引き上げる私の頬を優しく撫でる。
「やっぱり可愛い」
「可愛く、ない……!」
なんでこの人は寝起きなのに寝ぐせひとつなく完璧な容貌なの?
しかも無駄に色気がありすぎる。
私なんて昨夜はお風呂に入っていたので、ほぼすっぴんだし、寝ぐせも酷いはず。
女子として心の底から居たたまれない。
シーツの中に必死で潜り込もうとする私を、長い腕がやんわりと阻止する。
「可愛いよ。俺にとって藍は世界一可愛い」
「なに、言って……」
甘すぎる台詞と駄々洩れの色香に充てられる。
なんで急にそんな甘い言葉を口にするの?
今までの素っ気ない態度はいったいどこへいったの?
感情の機微に敏い彼は私の心の葛藤に気づいたのか、眉尻を下げて話す。
「今まではお前との距離を保つためにわざと素っ気なくしてた」
「え……?」
「少しでも触れてしまったら平静を保てる自信がなかったから」
甘く衝撃的な告白に呼吸が止まりそうになった。
「嫌われているとわかっていても、この胸に藍を抱きしめて、思う存分甘やかしたいって心の奥底でずっと願っていた」
真摯な目が真っ直ぐに私を射抜く。
ドクンと鼓動がひとつ大きな音を立てた。