偽装結婚のはずが、天敵御曹司の身ごもり妻になりました
「婚姻届は俺が預かっておく。書類が届いたら教えてくれるか?」
「う、うん」
「きちんと届け出はしていないが、この届けを書いた時点で俺はもうお前と夫婦になったつもりでいるから。明日からは婚約指輪をはめて出勤しろよ」
ニッと口角を上げた櫂人さんが上機嫌で宣言する。
「えっ、あの、こんな高価な指輪をつけていたら気になって仕事ができないから。傷つけたり紛失したらと思うと落ち着かないし……」
「身につけなければ婚約指輪の意味がないだろ」
「でも……」
「わかった。じゃあすぐに結婚指輪を購入しよう」
私の返答が気に入らないのか、彼はとんでもない提案をする。
「え、ちょっと待って」
「待たない、お前はもう俺だけのものなんだって早く理解しろ」
当然のように言われ、即座に反応ができない。
そんな言い方をされたら、想われていると自惚れそうになる。
「もしくはもうひとつシンプルな婚約指輪を買うか?」
「い、いらない!」
即座に否定する。
なんて恐ろしいことを言い出すのか、お金持ちの考えはよくわからない。
この価値観の違いは乗り越えられるのだろうかと今から少し不安になった。
「う、うん」
「きちんと届け出はしていないが、この届けを書いた時点で俺はもうお前と夫婦になったつもりでいるから。明日からは婚約指輪をはめて出勤しろよ」
ニッと口角を上げた櫂人さんが上機嫌で宣言する。
「えっ、あの、こんな高価な指輪をつけていたら気になって仕事ができないから。傷つけたり紛失したらと思うと落ち着かないし……」
「身につけなければ婚約指輪の意味がないだろ」
「でも……」
「わかった。じゃあすぐに結婚指輪を購入しよう」
私の返答が気に入らないのか、彼はとんでもない提案をする。
「え、ちょっと待って」
「待たない、お前はもう俺だけのものなんだって早く理解しろ」
当然のように言われ、即座に反応ができない。
そんな言い方をされたら、想われていると自惚れそうになる。
「もしくはもうひとつシンプルな婚約指輪を買うか?」
「い、いらない!」
即座に否定する。
なんて恐ろしいことを言い出すのか、お金持ちの考えはよくわからない。
この価値観の違いは乗り越えられるのだろうかと今から少し不安になった。