偽装結婚のはずが、天敵御曹司の身ごもり妻になりました
「あ、あの、すみません。ありがとうございました」
「いいえ、雰囲気が怪しかったから咄嗟に割り込んだのだけど、余計なお世話にならなくてよかったわ」
「とても助かりました」
しっかり牽制までしてくれた彼女に心からの感謝の言葉を口にし、頭を下げた。
凛とした美しさを放つ白坂さんはなんて素敵なのだろう。
自分ひとりでなにひとつ対処できない私とは全然違う。
「斎田さん、どうか頭を上げて。お礼を言うべきは私のほうよ。あなたのおかげで好きな人と婚約できたの。でもあなたを騙してお見合いを押しつけてしまって……ずっと気になっていたの。申し訳なかったわ」
「いえ、そんな……」
「本来なら直接あなたの元へ伺って謝罪すべきだとわかっていたのだけど、目立った行動をすると余計に混乱を招く気がして……本当にごめんなさい」
そう言って白坂さんは頭を下げた。
「白坂さん、頭を上げてください! 謝罪していただく必要はありません」
「でも、巻き込んだのは確かでしょう」
くぐもった声が聞こえ、私は再度頭を上げてほしいと伝える。
白坂さんは恐る恐る顔を上げた。
「婚約を決めたのは私の意思なので、気になさらないでください。それよりもあの日、体調は大丈夫でしたか?」
「え? ああ、そうね。あれはちょっとした演技だったの。私、健康には自信があるのよ。重ね重ねごめんなさい」
「あ、あの謝らないでください」
櫂人さんに以前聞いていたとはいえ、今の告白には驚いた。
けれど白坂さんが健康でよかったと心から思った。
「いいえ、雰囲気が怪しかったから咄嗟に割り込んだのだけど、余計なお世話にならなくてよかったわ」
「とても助かりました」
しっかり牽制までしてくれた彼女に心からの感謝の言葉を口にし、頭を下げた。
凛とした美しさを放つ白坂さんはなんて素敵なのだろう。
自分ひとりでなにひとつ対処できない私とは全然違う。
「斎田さん、どうか頭を上げて。お礼を言うべきは私のほうよ。あなたのおかげで好きな人と婚約できたの。でもあなたを騙してお見合いを押しつけてしまって……ずっと気になっていたの。申し訳なかったわ」
「いえ、そんな……」
「本来なら直接あなたの元へ伺って謝罪すべきだとわかっていたのだけど、目立った行動をすると余計に混乱を招く気がして……本当にごめんなさい」
そう言って白坂さんは頭を下げた。
「白坂さん、頭を上げてください! 謝罪していただく必要はありません」
「でも、巻き込んだのは確かでしょう」
くぐもった声が聞こえ、私は再度頭を上げてほしいと伝える。
白坂さんは恐る恐る顔を上げた。
「婚約を決めたのは私の意思なので、気になさらないでください。それよりもあの日、体調は大丈夫でしたか?」
「え? ああ、そうね。あれはちょっとした演技だったの。私、健康には自信があるのよ。重ね重ねごめんなさい」
「あ、あの謝らないでください」
櫂人さんに以前聞いていたとはいえ、今の告白には驚いた。
けれど白坂さんが健康でよかったと心から思った。