偽装結婚のはずが、天敵御曹司の身ごもり妻になりました
「自分が幸せになるために結婚を決めたのなら異論はない。大事な妹が結婚相手に出会えたのは嬉しいからな。でもお前、栗本の性格は苦手なんだろ? しかも白坂のご令嬢との一件だってある」
「それはそうだけど、この先私が良縁に恵まれる可能性もなさそうだし、この機会を逃すべきじゃないと思ったの」
兄代わりを心配させないようにできるだけ明るい声を出す。
「お父さんもお母さんも私の将来を心配してたでしょ?」
「娘の交友関係を気にするのが親心だろ」
「でも貴臣くんもなにかと相談されてたでしょ?」
「……まあな」
兄代わりの苦笑は肯定だ。
「今後業を煮やした両親がお見合いをセッティングするかもしれないし、それなら相手の目的や性格を理解したうえで自分で決めたほうがいいと思ったの」
「そうは言ってもお前の話を聞く限り、この結婚は完全にビジネスライクで契約じみてる気がするんだが」
「恋愛結婚じゃないんだから当然よ。それに栗本副社長は生活を干渉されたくないそうだし、本心では結婚したくないのよ」
私の返答に貴臣くんの表情が一気に険しくなる。
「それはそうだけど、この先私が良縁に恵まれる可能性もなさそうだし、この機会を逃すべきじゃないと思ったの」
兄代わりを心配させないようにできるだけ明るい声を出す。
「お父さんもお母さんも私の将来を心配してたでしょ?」
「娘の交友関係を気にするのが親心だろ」
「でも貴臣くんもなにかと相談されてたでしょ?」
「……まあな」
兄代わりの苦笑は肯定だ。
「今後業を煮やした両親がお見合いをセッティングするかもしれないし、それなら相手の目的や性格を理解したうえで自分で決めたほうがいいと思ったの」
「そうは言ってもお前の話を聞く限り、この結婚は完全にビジネスライクで契約じみてる気がするんだが」
「恋愛結婚じゃないんだから当然よ。それに栗本副社長は生活を干渉されたくないそうだし、本心では結婚したくないのよ」
私の返答に貴臣くんの表情が一気に険しくなる。