丸い課長と四角い私
丸と四角
「……佐々くん。
これ、やり直し、ね」
にっこりと笑う、銀縁眼鏡の奥の目を睨みつけた。
……でも、奴の表情は少しも変わらない。
「なぜですか?
条件全部、クリアしてるはずですけど」
「んー?
わかんない?」
……そんなこともわかんないんだ、おかしいねー?
莫迦にしたようにくすくす笑う奴はまるでそう言っているみたいで、頬がかっと熱くなる。
「やり直せばいいんでしょ、やり直せば!」
「うん。じゃあ、お願い。
……あ。
それ、明日までだけど大丈夫?」
……佐々くんには無理かなー?
さらにそんな奴の心の声が聞こえてきて、思いっきり噛みついた。
「なめんなっ!
くそ課長!」
「佐々くん、口悪いねー」
くすくす笑う奴から書類をひったくり足音荒くデスクに向かう私に、みんな恐れおののいて道をあけてくれる。
どかっと乱暴に椅子に腰を下ろし、一回大きく深呼吸。
これで完璧だと自分では思っているが、実際のところ、奴からやり直しを喰らって再提出した奴の方が評価が高かったりするので、あまり反論できない。
……気持ち、切り替え完了。
よしっ。
これ、やり直し、ね」
にっこりと笑う、銀縁眼鏡の奥の目を睨みつけた。
……でも、奴の表情は少しも変わらない。
「なぜですか?
条件全部、クリアしてるはずですけど」
「んー?
わかんない?」
……そんなこともわかんないんだ、おかしいねー?
莫迦にしたようにくすくす笑う奴はまるでそう言っているみたいで、頬がかっと熱くなる。
「やり直せばいいんでしょ、やり直せば!」
「うん。じゃあ、お願い。
……あ。
それ、明日までだけど大丈夫?」
……佐々くんには無理かなー?
さらにそんな奴の心の声が聞こえてきて、思いっきり噛みついた。
「なめんなっ!
くそ課長!」
「佐々くん、口悪いねー」
くすくす笑う奴から書類をひったくり足音荒くデスクに向かう私に、みんな恐れおののいて道をあけてくれる。
どかっと乱暴に椅子に腰を下ろし、一回大きく深呼吸。
これで完璧だと自分では思っているが、実際のところ、奴からやり直しを喰らって再提出した奴の方が評価が高かったりするので、あまり反論できない。
……気持ち、切り替え完了。
よしっ。
< 1 / 35 >