丸い課長と四角い私
やけどしそうなほどに熱い、その瞳に私はとうとう。
「ふぇ、ふぇーん」
「あ、泣いた」
蔵田課長は私から手を離すと、おかしそうにくすくす笑っている。
そういうのにやっぱり腹が立つな、とか思いながらも、泣きながら涙と一緒に気持ちをぽろぽろこぼれ落としていた。
「あなたのことは気になってるけど、そんな怖い顔で迫られたら、なにも云えないし」
「うん」
「確かに、云うことには腹が立つけど、嫌いではないし。
仕事の面ではむしろ、尊敬してるし」
「うん」
「いつも私の愚痴や弱音を聞いてくれるのは嬉しかったし。
というか、あのときだけ優しい顔で笑うのは、反則だって思ってたし」
「うん」
「だから、総合すると、その、……好きってことで、間違いないんだと思います」
「ナルは可愛いな」
唐突にちゅっと柔らかいものが唇にふれ、涙が止まる。
みるみるうちにあたまのてっぺんまで上がっていった熱で、黙ってしまった私にやっぱり、蔵田課長はおかしそうにくすくす笑っている。
「ナルの顔、もっとよく見たい。
それに」
蔵田課長の手が眼鏡を引き抜き、顔が傾きながら近づいてきた。
「ふぇ、ふぇーん」
「あ、泣いた」
蔵田課長は私から手を離すと、おかしそうにくすくす笑っている。
そういうのにやっぱり腹が立つな、とか思いながらも、泣きながら涙と一緒に気持ちをぽろぽろこぼれ落としていた。
「あなたのことは気になってるけど、そんな怖い顔で迫られたら、なにも云えないし」
「うん」
「確かに、云うことには腹が立つけど、嫌いではないし。
仕事の面ではむしろ、尊敬してるし」
「うん」
「いつも私の愚痴や弱音を聞いてくれるのは嬉しかったし。
というか、あのときだけ優しい顔で笑うのは、反則だって思ってたし」
「うん」
「だから、総合すると、その、……好きってことで、間違いないんだと思います」
「ナルは可愛いな」
唐突にちゅっと柔らかいものが唇にふれ、涙が止まる。
みるみるうちにあたまのてっぺんまで上がっていった熱で、黙ってしまった私にやっぱり、蔵田課長はおかしそうにくすくす笑っている。
「ナルの顔、もっとよく見たい。
それに」
蔵田課長の手が眼鏡を引き抜き、顔が傾きながら近づいてきた。