ふたりぼっちの孤城
とにかく私は、ただ、彼女に会いたい。

もう2ヶ月も会えていない。

息苦しい。

辛い。

毎日生きるのがしんどくてたまらない。

ボーッとしていると悪夢のような日のことを思い出す。

その度心が少しずつ壊れていくような音がする。

生きる気力が見いだせない。

気付いた時には不眠症になっていた。

ずっと頭がズキズキしている。

今日も今日とて眠れず、ベッドに潜り込み虚空見つめていた。

すると足音が聞こえた。

この時間はいつも誰も通らないはずだ。

その足音の主は私の部屋へと向かってきて、コンコンコンとノックをしてきた。

気怠い身体を動かしドアノブに手をかける。


「はい、こんな夜更けにどちら様ですか・・・って、え・・・?お嬢・・・様・・・・・?」
「山吹」


彼女は縋るように、動揺している私のシャツの裾を引いた。

彼女だ。

彼女がいる。

彼女が私の元に来てくれた。

それだけで身体に暖かいものが広がり、生き返っていくような錯覚がする。

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