ふたりぼっちの孤城
「ち、違うわ!ただ・・・」
「ただ?」
「・・・わたし達の呼び方、いつも通りだなって思って」
拗ねるように声が萎んでしまった。
でも物足りないと感じたのは本当だ。
「じゃあ変えます?今日でしたら私のことを理人と呼んでも構いませんよ」
「なんで貴方が許可する側なのよ・・・。まぁいいわ。その代わりわたしのことは椿と呼ぶのよ。山・・・・・・理人」
「分かりました。椿」
自分で思っていたよりも山吹を「理人」と呼ぶことが気恥しい。
それに対し山吹はさらりと「椿」と呼んでみせた。
その余裕が狡い。
その気持ちが無意識に握る手の強さに現れたが、山吹も同じぐらいぎゅっと握り返してくれた。
それからわたし達はお互いを名前で呼びながらジェットコースターはもちろん、お化け屋敷やコーヒーカップにも乗り存分に楽しんだ。
並ぶ時間も多かったのであっという間に日が傾き始めてしまった。
人もだんだん減ってきて寂しい。
「そろそろ閉園ですね。最後に一つだけ乗れそうですがどうします?」
「じゃあに観覧車に乗りましょ。王道だもの!」
「いいですね」
「ただ?」
「・・・わたし達の呼び方、いつも通りだなって思って」
拗ねるように声が萎んでしまった。
でも物足りないと感じたのは本当だ。
「じゃあ変えます?今日でしたら私のことを理人と呼んでも構いませんよ」
「なんで貴方が許可する側なのよ・・・。まぁいいわ。その代わりわたしのことは椿と呼ぶのよ。山・・・・・・理人」
「分かりました。椿」
自分で思っていたよりも山吹を「理人」と呼ぶことが気恥しい。
それに対し山吹はさらりと「椿」と呼んでみせた。
その余裕が狡い。
その気持ちが無意識に握る手の強さに現れたが、山吹も同じぐらいぎゅっと握り返してくれた。
それからわたし達はお互いを名前で呼びながらジェットコースターはもちろん、お化け屋敷やコーヒーカップにも乗り存分に楽しんだ。
並ぶ時間も多かったのであっという間に日が傾き始めてしまった。
人もだんだん減ってきて寂しい。
「そろそろ閉園ですね。最後に一つだけ乗れそうですがどうします?」
「じゃあに観覧車に乗りましょ。王道だもの!」
「いいですね」