ふたりぼっちの孤城
(全部、わたしのせい?)


メイドと杏が言ったことが頭の中でぐわんぐわんと木霊する。

そしてわたしは足りない頭で最悪の決断を下した。

山吹のあの傷ついた顔は一生忘れられないわたしの罪だ。





「山吹、もう明日から来なくていいわ」

自分で言っておきながら心が傷む。

わたしは山吹を見ずにそう言いきった。


「理由をお聞かせ、願いますか」


弱々しくて安定しない声が聞こえた。

それでも揺らないではいけない。これは山吹のためだから。


「山吹の過保護が鬱陶しくなったのよ。わたしはもう中学生よ?自分のことは自分でするわ」


山吹につられてわたしの声も弱くなる。

それを誤魔化すようにきつい言葉を使った。


「お嬢様、な、なんでですか!?貴方は私がいないと」
「いなくてもどうとでもなるわ!いつまでもわたしを子供扱いをするのは、辞めて!」


わたしは初めて山吹を拒絶した。

それだけで私は呼吸の仕方すら忘れてしまった。
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