ふたりぼっちの孤城
あまり彼女を人目を触れさせたくないのは事実だが、彼女が行きたい場所が私の行きたい場所でもあるのだ。

髪を乾かし終えると一緒のベッドに沈む。

明かりを消すと椿を胸に抱き寄せた。

彼女は私のパジャマをぎゅっと握ってくれる。

その仕草が可愛くてどうにかなってしまいそうだが、明日は出かける予定なので辞めておいた。

椿の艶やかな髪の毛を愛でながら、うとうとし始めた彼女の耳元にそっと顔を寄せる。


「おやすみなさい、椿。愛してますよ」
「わたしも愛しているわ。おやすみ・・・理人」


1日は貴方で始まり貴方で終わる。

あぁなんて素敵な日常だろう。





〈了〉
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