ふたりぼっちの孤城
「もう寝るから、電気消してちょうだい」
「はい只今」


山吹はわたしの指示に一瞬驚いていた。まだごねると思っていたのだろう。

山吹の優しさに漬け込み続けるほど子どもじゃない。


「おやすみ。・・・あと、行ってらっしゃい」
「おやすみなさいませ。行って参ります」


意識を手放す直前、柔らかいものが頬に触れた気がした。
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