ふたりぼっちの孤城
1日目:藤啓一
部屋の鍵が開く音がした。
そしてわたしを起こす為に肩を揺すられた。
「やめて!!」
その手を払いのけ視線を向けると、知らない人がいた。
理沙じゃない。
性別すらあっていなかった。
「もっ、申し訳ありません。椿お嬢様」
彼はオドオドしながら頭を下げた。
その所作から侍従としてまだまだ未熟だということが分かる。
「貴方は誰?名乗りなさい」
「申し遅れました。本日のお嬢様のお世話を任されました、藤啓一(ふじけいいち)です」
ズレたメガネを直しながら名乗った藤は、山吹には到底劣るが、顔が良い部類に入る。
「そう、見ない顔ね。最近雇われたの?」
「はい。まだ専属は決まっておりません」
「へぇそれで?理沙はどうしたの?」
わたしが目を細めるとビクッと反応され、目を逸らされた。
肝が据わっていないらしい。
「理沙さんは外せない仕事があるそうなので、代わりに僕が配属されました」
「・・・随分舐められているのね」
この場合舐められたのはわたしと山吹、どちらだろうか。
そしてわたしを起こす為に肩を揺すられた。
「やめて!!」
その手を払いのけ視線を向けると、知らない人がいた。
理沙じゃない。
性別すらあっていなかった。
「もっ、申し訳ありません。椿お嬢様」
彼はオドオドしながら頭を下げた。
その所作から侍従としてまだまだ未熟だということが分かる。
「貴方は誰?名乗りなさい」
「申し遅れました。本日のお嬢様のお世話を任されました、藤啓一(ふじけいいち)です」
ズレたメガネを直しながら名乗った藤は、山吹には到底劣るが、顔が良い部類に入る。
「そう、見ない顔ね。最近雇われたの?」
「はい。まだ専属は決まっておりません」
「へぇそれで?理沙はどうしたの?」
わたしが目を細めるとビクッと反応され、目を逸らされた。
肝が据わっていないらしい。
「理沙さんは外せない仕事があるそうなので、代わりに僕が配属されました」
「・・・随分舐められているのね」
この場合舐められたのはわたしと山吹、どちらだろうか。