ふたりぼっちの孤城
そういう小さいことの積み重ねでストレスが溜まっていくのだが、まだ初日だ。

わざわざ責め立てることでは無い。

そう判断したわたしは、おやつタイムをとらずに今日出された課題に取り掛かった。






要領の悪いわたしは夕食後になっても課題が終わっていない。


(どうしよう、分からない)


どうしても応用問題を解くことが出来ない。

明日までに仕上げていかないと、ただでさえ成績の悪いわたしはピンチだ。


(藤に聞く?でも、これで下手して家庭教師でも呼ばれたら・・・────)


わたしに向けられる落胆の目。

口を開けば、わたしの姉はできていた、とても優秀だったとばかり。

いきなり出される応用問題ばかりの課題。

次回までに解けなければサボっていたと決めつけられ、父に報告される。


(────嫌なことを思い出したわ)


頭を抱えていると、藤が隣に立っていた。


「お嬢様」
「何か用?」
「用という訳ではないのですが、何かお困りかと思いまして・・・」


確かに困っている。

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