ふたりぼっちの孤城
背に腹はかえられないので試しに藤に頼ってみることにした。
もちろん念を押す。
「・・・誰にも言わない?」
「はい。誓って他言致しません」
「そう。・・・この問7が分からないの。教えてちょうだい」
「はい。それでしたら────」
藤は問題を見せると直ぐに説明を始めた。
どうやら頭が良いらしい。
例え話や図を用いながら教えてくれた。
「教えるの、上手いのね」
「恐縮です」
あっという間に解き終えたので、ここで一息つくことにした。
藤の入れる紅茶は少し薄いがミルクを入れれば気にならない。
「ありがとう。情けないところを見せたわね」
「そんなっ!情けないなんて・・・!」
山吹に対してはお礼を言うのに抵抗があるが、藤にはすんなり言えた。
付き合いの長さの差だと思う。
しかもわたしの自虐に対して庇うような反応をした。
「お、お嬢様はかっこいいと思います。自分のことは自分でなさりますし、堂々としていらっしゃって、その、憧れます」
「・・・そう」
照れながらも一生懸命言葉を紡ぐ姿は子犬のようだ。
もちろん念を押す。
「・・・誰にも言わない?」
「はい。誓って他言致しません」
「そう。・・・この問7が分からないの。教えてちょうだい」
「はい。それでしたら────」
藤は問題を見せると直ぐに説明を始めた。
どうやら頭が良いらしい。
例え話や図を用いながら教えてくれた。
「教えるの、上手いのね」
「恐縮です」
あっという間に解き終えたので、ここで一息つくことにした。
藤の入れる紅茶は少し薄いがミルクを入れれば気にならない。
「ありがとう。情けないところを見せたわね」
「そんなっ!情けないなんて・・・!」
山吹に対してはお礼を言うのに抵抗があるが、藤にはすんなり言えた。
付き合いの長さの差だと思う。
しかもわたしの自虐に対して庇うような反応をした。
「お、お嬢様はかっこいいと思います。自分のことは自分でなさりますし、堂々としていらっしゃって、その、憧れます」
「・・・そう」
照れながらも一生懸命言葉を紡ぐ姿は子犬のようだ。