ふたりぼっちの孤城
もうこの生活にも充分慣れたからいいか。

暇なときは山吹に適当に相手をしてもらうから全然平気。


山吹だけは私のそばに居てくれるから。


お昼ご飯は山吹特製弁当を食べ、小テストの範囲を復習して終礼が終わり次第すぐに校門へと向かう。

すると山吹が笑顔で出迎えてくれた。その顔を見るとようやく帰ってきたと感じる。


「おかえりなさいませ。マカロンは用意してありますよ」
「そう。ご苦労さま」
「今日の小テストはどうでしたか?」
「上々よ。昨日山吹が教えてくれたところが丁度でたの!」


そう言いながら鞄から小テストを取り出した。


「それは何よりです」


山吹は小テストをまじまじと見ながらカバンも一緒に受けとった。


「今日は数学を教えてちょうだい」
「喜んで」


こうして帰った後はおやつを食べて山吹に勉強を教えてもらうことが日課だ。

たまーにカフェに行ったり文房具を買いに寄ったりはするけれど、頻度は少ない。

勉強を教えてもらったあとは一人の時間がやってくる。いつも本を読んだりテレビや動画を見たりして過ごしている。

今日は明日までに返却しないといけない小説を読むことに決めた。

ちなみにこの間に山吹は夕食の準備をする。
下準備はわたしが学校にいる間に済ませているから大して時間はかからない。


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