ふたりぼっちの孤城
もしこの予感が当たりでもしたらわたしはどうなる。


「2人は、その・・・付き合っているの?」


心臓の音が脳に直接響いている。

わたしの言葉を聞くや否や柊は頬を紅潮させた。


「え、そんなの理人さんに失礼ですよ!自分なんてっ・・・た、ただの仲のいい同僚です」
「ただの同僚と手を繋ぐの?」
「そんなっ繋いだなんて・・・!」


耳まで真っ赤に染め、手をブンブンと振りながら否定をする柊。

そうであってほしくなかったことが否定されて安堵するべきなのに、胸がザワザワする。


「そ、そりゃあ理人さんからその気なら?喜んで応じます・・・よ?」


その顔はまさに恋する乙女だった。


「貴方は山吹が好きなのね」


わたしが決定打を打つと、柊はりんごのように赤くなった顔を仰いだ。


「・・・・・・好き・・・です。あっ、誰にも言わないでくださいね!」
「・・・善処するわ」


山吹に事実確認をしたかったから断言はしなかった。

情報収集はここで辞めた。

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