ふたりぼっちの孤城
あれは10年前、私が16歳で彼女が6歳の時。
初めて会ったその日に、私は全身全霊で彼女を守ると決めたのだ。
当時の私は将来有栖川家に仕えることが決められていた為、頑張る意味を見いだせず標準点をとって満足しているタイプだった。
だから中学校兼執事養成学校を適当に卒業した私に振り分けられたのは、有栖川家第2子の専属侍従。
まだ6歳と幼く、母親である夫人がお亡くなりになるまでは一緒にお世話をされていた。
普通ならば夫人がお亡くなりになった際すぐに専属が決められていたはずだ。
だが、誰もそれを希望しなかった。
専属は何よりの出世であるというのに。
その理由は彼女の立場と成績にあった。
女という政略結婚を望まれる立場であり、成績も彼女の姉に劣る。
更に当主の寵愛を受けた親子が家にやってきたのだ。
だから誰も彼女の傍に旨味を感じなかった。
適当に生きようとしている私以外は。
「初めまして、椿お嬢様。この度貴方の専属侍従となりました、山吹理人と申します」
「じじゅう・・・?」
言葉の意味が分からないのか、彼女はキョトンとした顔で首を傾けた。
初めて会ったその日に、私は全身全霊で彼女を守ると決めたのだ。
当時の私は将来有栖川家に仕えることが決められていた為、頑張る意味を見いだせず標準点をとって満足しているタイプだった。
だから中学校兼執事養成学校を適当に卒業した私に振り分けられたのは、有栖川家第2子の専属侍従。
まだ6歳と幼く、母親である夫人がお亡くなりになるまでは一緒にお世話をされていた。
普通ならば夫人がお亡くなりになった際すぐに専属が決められていたはずだ。
だが、誰もそれを希望しなかった。
専属は何よりの出世であるというのに。
その理由は彼女の立場と成績にあった。
女という政略結婚を望まれる立場であり、成績も彼女の姉に劣る。
更に当主の寵愛を受けた親子が家にやってきたのだ。
だから誰も彼女の傍に旨味を感じなかった。
適当に生きようとしている私以外は。
「初めまして、椿お嬢様。この度貴方の専属侍従となりました、山吹理人と申します」
「じじゅう・・・?」
言葉の意味が分からないのか、彼女はキョトンとした顔で首を傾けた。