ふたりぼっちの孤城
「山吹の過保護が鬱陶しくなったのよ。わたしはもう中学生よ?自分のことは自分でするわ」
「お嬢様、な、なんでですか!?貴方は私がいないと」
「いなくてもどうとでもなるわ!いつまでもわたしを子供扱いをするのは、辞めて!」
彼女から初めて拒絶された。
それだけで私は呼吸の仕方すら忘れてしまった。
頭に酸素が回らない。
つい声を荒げてしまった。
心臓の音が脳に直接響いてくる。
「わたしと違って、貴方は自由でしょう?」
彼女は私を見て苦しそうに笑った。
でも目は合わせてくれない。
「お嬢さ「話は終わりよ、出ていってちょうだい。そして好きなところに行きなさい」
彼女はもう私を見てくれない。
頬杖をついていない方の手が、服を震える手で握り締めていた。
絶対に何かあった。
それなのに彼女は私に何も教えてはくれないし、私の話を聞いてくれない。
本当は泣きそうなのに、強がっている。
強がって強い言葉を使う。
それが彼女の癖だって、ちゃんと私は分かっているのに。