学校の怪談
「いや、うちの家はずーっと猫を飼ってるんだよ。たしか最初は小学校からもらってきたって聞いたかな。この子たちはその子孫」


怜美は大きく目を見開く。


「も、もらってきた猫のことってなにかわかりませんか?」


勢い込んで質問したのもも、100年も前のことだ。


お兄さんは困ったように首をかしげた。


「たぶんおじいちゃんとかに聞けばわかるかもしれないけど、あいにく今は家にいないんだ」


「そうですか」


落胆しそうになる怜美の肩を猫田さんが叩いた。


「ありがとうございます、もう十分です」


「え、でも……」


「僕はにおいでわかるんです。この子たちは間違いなく、僕の家族です」


そう言う猫田さんの目には涙が浮かんでいたのだった。
< 108 / 128 >

この作品をシェア

pagetop