学校の怪談
☆☆☆

一軒目に訪れた家ですでに猫田さんの血縁猫を見つけてしまった。


この家では猫田さんの兄弟を2匹を引き取って育てていたそうだ。


「ということは、あと2匹いるってことですよね?」


過去の話の中で、猫田さんは5匹兄弟だとわかっていた。


「はい。でも、もう十分です。まさか本当に血縁猫に出会えるなんて思っていなかったので」


猫田さんは興奮している様子で、頬が赤く染まっている。


空はまだ青くて、夕方までは遠い。


「もう一軒だけ行ってみませんか?」


猫田さんがもういいと言っていても、怜美は他の2匹のことも気になっていた。


もしかしたらさっきと同じように子孫がいるかもしれない。


「いいんですか?」


「もちろんです! 私が自分でお手伝いをするって決めたんですから!」


怜美は胸を叩いてそう言ったのだった。
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