学校の怪談
☆☆☆

怜美と猫田さんは2人で学校の地下室へ来ていた。


子猫は母親が先に家に連れて帰ってくれている。


「本当にありがとうございました」


猫田さんが頭を下げる。


「いいえ。元はと言えば私のせいなので」


怜美はちょっと頬をかいて言った。


最初この扉が開いたときには本当にびっくりした。


突然いろいろなものが飛び出してきて、猫田さんに睨まれて、手伝えと遠まわしに言われて。


どうなることかと思っていたけれど、手伝ってよかったと思っている。


「猫田さん、私将来やりたいことが見つかりました」


それは毎日のように両親に言われていたことだった。


やりたいことはないのか。


夢はないのか。


夢を実現させた両親だからこその質問。


今まで怜美はそれに堂々と返事をすることができなかった。


夢もやりたいことも、よくわからなかったから。


でも、今は違う。


猫田さんとであったおかげで、怜美の胸の中にはある熱い気持ちが宿っていた。
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