学校の怪談
「私、大人になったら動物を保護する仕事をしたい」


猫田さんは目を丸くする。


「それで、少しでも悲しい動物が減るようにしたい」


犬や猫だけじゃない。


爬虫類も鳥類も。


すべての動物たちが幸せになれるように、少しでも力になりたい。


今日、保護団体の施設に行って切実にそう思ったのだ。


猫田さんは穏やかな笑みを浮かべてうなづいた。


「きっとなれますよ。怜美さんなら」


そしてかくりよへ続く扉を自分の手で開いた。


怜美も大きくうなづき返す。


絶対になります。


この学校に住み着いた猫たちのためにも。


「それじゃ、さようなら」


「さようなら!」


手を振って、そして扉は再び閉められた……。
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