学校の怪談
思い切って伝えられた言葉に怜美と猫田さんは思わず目を見交わせた。


この年齢で死んでしまって、心残りが両親のことというのはいまいちピンとこなかった。


両親のことが大好きで、もう一度会いたいという意味だろうか?


「私の両親、私がイジメに会って自殺したと思っているんです」


エミが刃を食いしばるようにして言葉を絞りだした。


「イジメ……」


怜美は小さく呟く。


どこのクラスでも大なり小なりイジメは存在している。


幸いにも標的にされたりイジメる側になったりしたことはないけれど、それは怜美にとってとても身近な問題だった。


「本当は違うのに、今でもずっと調べているみたいで。それを、どうにかしてとめたいんです」


「どうしてイジメだって思ってるの? 死んだ原因はもうわかってるんだよね?」


怜美が聞くとエミはうなづいた。


「うん。ちゃんと司法解剖っていうのもされて、発作が原因だってわかってる」


じゃあ、どうしてイジメなんて言うんだろう?


「行ってみますか。なにが起こっているのか」


猫田さんが2人へ向けてそう言ったのだった。
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