学校の怪談
そして、マイクの横にあるスイッチを入れる。


ブンッと低い音がしてスピーカーの電源が入ったことを知らせた。


次に赤いボタンを押してピンポンパンポーンという、あのチャイムを鳴らした。


「生徒の呼び出しをします。鈴木浩一くん。鈴木浩一くん。大至急校舎裏へ来てください。繰り返します。鈴木浩一くん、鈴木浩一くん、大至急校舎裏へ来てください」


2回繰り返してスイッチを切ったときには怜美の手は汗でぐっしょりと濡れていた。


「それで来てくれるのかい?」


猫田さんは半信半疑な様子で腕組みをしている。


「たぶん、大丈夫です」


そう返事をして校舎裏へと急いだのだった。
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