学校の怪談
時々廊下で先生に捕まって注意されるから、最近では細心の注意を払ってスマホを使っている。


「えっと、今日はカレーだから……」


浩一はぶつぶつと呟きながらスーパーのカゴを片手に持った。


6年生にしては体が大きな浩一は次々と材料をカゴに入れていく。


ついでに弟たちのジュースも2本購入してスーパーを出た。


今日の母親の帰りは遅い。


それまでにカレーを作って弟たちと一緒に食べて、お風呂も終わらせておかないと。


頭の中で考えながら買ったものをリュックに入れて行き、背中に背負った。


少しまでまで手提げカバンを使っていたけれど、リュックの方が軽く感じることに気がついたのだ。


それに、両手が使えるからスマホを使うことができる。


スマホを見ながら歩いていたときだった。


突然「危ない!」という声が聞こえてきて浩一は立ち止まった。


それがまさか自分にかけられた声だとは思わず、周囲を見回す。


次の瞬間浩一の視界の中に白い自動車が入ってきた。


あっと思う暇だってなかった。


急ブレーキ音を響かせる自動車は浩一の体を大きく跳ね上げていた。


持っていたスマホが落下して音を立てる。
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