学校の怪談
たじろいでいる怜美を横目に鈴木くんの姿がボロボロと崩れ落ち始めた。
二宮金次郎の灰色の像の中から肌色の手足が出現し、それはあっという間に生前の鈴木くんの姿になっていたのだ。
怜美は唖然として開いた口が塞がらない。
そういえばエミさんのときは元々エミさんの姿をしていたけれど、鈴木くんは二宮金次郎の姿で現れたのだと思い出した。
そして今ようやく、鈴木くん本来の姿に戻ったのだ。
それだけでも驚きだったが、更に驚くことは続いた。
家から出てきた3人が目の前に立っている鈴木くんを見て足を止めたのだ。
もしかして怜美を見て立ち止まったのかと思ったが、視線はしっかりと鈴木くんへ向けられている。
怜美は後ずさりをして猫田さんの隣に立った。
「これってどういうことですか? 鈴木くんのこと、見えていますよね?」
「そうみたいだな」
小さな声で会話をしたものの、3人は怜美に気がついてこんどはこちらへ視線を向けた。
怜美は思わず背筋を伸ばしてお辞儀をしていた。
だけどなんと言っていいかわからない。
『見えているんですか?』と聞きたいが、一歩踏み出すことができなかった。
二宮金次郎の灰色の像の中から肌色の手足が出現し、それはあっという間に生前の鈴木くんの姿になっていたのだ。
怜美は唖然として開いた口が塞がらない。
そういえばエミさんのときは元々エミさんの姿をしていたけれど、鈴木くんは二宮金次郎の姿で現れたのだと思い出した。
そして今ようやく、鈴木くん本来の姿に戻ったのだ。
それだけでも驚きだったが、更に驚くことは続いた。
家から出てきた3人が目の前に立っている鈴木くんを見て足を止めたのだ。
もしかして怜美を見て立ち止まったのかと思ったが、視線はしっかりと鈴木くんへ向けられている。
怜美は後ずさりをして猫田さんの隣に立った。
「これってどういうことですか? 鈴木くんのこと、見えていますよね?」
「そうみたいだな」
小さな声で会話をしたものの、3人は怜美に気がついてこんどはこちらへ視線を向けた。
怜美は思わず背筋を伸ばしてお辞儀をしていた。
だけどなんと言っていいかわからない。
『見えているんですか?』と聞きたいが、一歩踏み出すことができなかった。