学校の怪談
今にも闇の中から何かが出てきそうだ。
鋭いキバを持った2つの光る目とか、白いワンピースを着た髪の長い女性とか。
開かずの扉から飛び出してきた人間ではないなにかが怜美に襲い掛かってきそうな気配がした。
足がすくみ、戻ろうかと一瞬迷う。
けれどこんなときでも怜美の好奇心は強かった。
ここに誰もあけたことのない開かずの扉がある。
クラス一の乱暴者の田中君も、学年一秀才の天野さんも開けたことがない扉だ。
そう考えると気持ちが持ち返してきた。
「おばけなんてないさおばけなんて嘘さ」
自分の歌声を響かせながら扉を探す。
壁際を歩き、時折設置されている電機のスイッチをつけながら進んでいく。
あたりが真っ暗だから歩いている距離はとても長く感じられた。
だけど実際、この地下室の広さは怜美が考えていた通り体育館と同じくらいのものだった。
ようやく端っこまでたどり着いたとき、怜美はすっかりこの空間に慣れていた。
どれだけ電気をつけて明るくして見ても、人間以外のものは出てこなかったからだ。
鋭いキバを持った2つの光る目とか、白いワンピースを着た髪の長い女性とか。
開かずの扉から飛び出してきた人間ではないなにかが怜美に襲い掛かってきそうな気配がした。
足がすくみ、戻ろうかと一瞬迷う。
けれどこんなときでも怜美の好奇心は強かった。
ここに誰もあけたことのない開かずの扉がある。
クラス一の乱暴者の田中君も、学年一秀才の天野さんも開けたことがない扉だ。
そう考えると気持ちが持ち返してきた。
「おばけなんてないさおばけなんて嘘さ」
自分の歌声を響かせながら扉を探す。
壁際を歩き、時折設置されている電機のスイッチをつけながら進んでいく。
あたりが真っ暗だから歩いている距離はとても長く感じられた。
だけど実際、この地下室の広さは怜美が考えていた通り体育館と同じくらいのものだった。
ようやく端っこまでたどり着いたとき、怜美はすっかりこの空間に慣れていた。
どれだけ電気をつけて明るくして見ても、人間以外のものは出てこなかったからだ。