学校の怪談
「2人とも、手伝ってくれて本当にありがとう。福永さんがいなかったら、僕は学校から出ることもできなかった」


「わ、私なんてなにもしてないから」


照れくさくて、慌てて左右に手を振ってみせた。


頬が少しだけ赤くなる。


そして猫田さんが開かずの扉を開けた。


それを見て男3人は歓声をあげる。


「本当に開いた!」


「これが開かずの扉の向こう側か」


「真っ暗で俺たちにはなにも見えないけど、お父さんもいるんだよな?」


「そうだよ。だから僕は寂しくない」


鈴木くんは力強くうなづくと、家族に手をふり、そして扉の向こうへと姿を消して行ったのだった……。
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