学校の怪談
「本当に、あった……」


地下室を端まで歩いた壁に確かに大きな扉があった。


それは体育館倉庫と同じくらいの大きさで、緑色がはげてきている。


怜美はそっと扉に近づいてその前に立った。


どうせカギがかかっていて開けることはできないんだろうな。


そう思って取っ手に手をかけて、力をこめた。


ガラガラガラッ。


途端に音を響かせて扉が開き、驚いた怜美はその場にしりもちをついてしまった。


「開いた……?」


大きな目を更に大きく見開いて唖然とする。


扉の向こう側は真っ暗で何も見えない。


ゆっくりと立ち上がって確認しようとしたそのときだった。


突然闇の中から何か飛び出してきて、怜美は悲鳴を上げてしりもちをついた。


それがなんだったのか確認するより先に2つ3つと立て続けに何かが飛び出してきて、そしてどこかへ消えてしまった。
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