学校の怪談
☆☆☆
出た!
本当に出た!
猫田さんと出会ってから本物の幽霊に遭遇してきた怜美だけれど、今回はなによりも怖かった。
なにせこの噂は同じ学校の生徒なら誰でも知っているものなのだ。
そんな有名な怪異に遭遇してしまうなんて、思ってもいなかった。
校門から走り出てしばらく行ったところで怜美はようやく歩調を緩めて、深呼吸をした。
ここまで全力で走って逃げてきたから胸が苦しい。
しばらくその場で休憩していると、少しずつ落ち着いてきた。
校舎を振り向いて確認すると、校舎の上に暗雲が立ち込めているように見えて息を飲んだ。
咄嗟に猫田さんを置いてきてしまったことを思い出したけれど、もう足は校舎へは向かない。
「ごめんなさい! 今日はもう帰ります!」
校舎内にいる猫田さんに届くように頭を下げて、怜美は逃げるように駆け出したのだった。
出た!
本当に出た!
猫田さんと出会ってから本物の幽霊に遭遇してきた怜美だけれど、今回はなによりも怖かった。
なにせこの噂は同じ学校の生徒なら誰でも知っているものなのだ。
そんな有名な怪異に遭遇してしまうなんて、思ってもいなかった。
校門から走り出てしばらく行ったところで怜美はようやく歩調を緩めて、深呼吸をした。
ここまで全力で走って逃げてきたから胸が苦しい。
しばらくその場で休憩していると、少しずつ落ち着いてきた。
校舎を振り向いて確認すると、校舎の上に暗雲が立ち込めているように見えて息を飲んだ。
咄嗟に猫田さんを置いてきてしまったことを思い出したけれど、もう足は校舎へは向かない。
「ごめんなさい! 今日はもう帰ります!」
校舎内にいる猫田さんに届くように頭を下げて、怜美は逃げるように駆け出したのだった。