学校の怪談
兄弟と昼寝をした場所。
兄弟とエサをもらった場所。
まだひとりでは行ったことのない散歩コースにだってチャエレンジした。
しかし、どこにも家族はいない。
「おいお前、なにしてる」
そんな声がして顔を上げると、そこには見知らぬ白猫が座っていた。
体が大きくて貫禄がある。
すぐにこの辺を束ねているボス猫だと気がついた。
猫田さんは知らない間に隣の縄張りまで来てしまっていたのだ。
「あ、ごめんなさい。僕、家族を探していて、それで」
猫田さんは震えながら弁解し、後ずさりをした。
相手の猫は戦闘態勢に入ったようで頭を低くし、おしりを突き出す形になった。
ここで戦ったら自分は死んでしまう。
鋭利な爪が自分の皮膚に食い込んでいることろを想像して猫田さんは咄嗟に駆け出していた。
後ろからさっきのオス猫が走って追いかけてくる。
猫田さんは振り向かなかった。
懸命に走って走って走って、何度も車にひかれそうになりながら、どうにか学校へ戻ってきたのだ。
体育館裏へ移動しても、家族の姿はない。
ボロボロになってしまった猫田さんをなぐさめる相手はいない。
猫田さんは壁に寄り添うようにして、丸くなっていつまでも震えていたのだった。
兄弟とエサをもらった場所。
まだひとりでは行ったことのない散歩コースにだってチャエレンジした。
しかし、どこにも家族はいない。
「おいお前、なにしてる」
そんな声がして顔を上げると、そこには見知らぬ白猫が座っていた。
体が大きくて貫禄がある。
すぐにこの辺を束ねているボス猫だと気がついた。
猫田さんは知らない間に隣の縄張りまで来てしまっていたのだ。
「あ、ごめんなさい。僕、家族を探していて、それで」
猫田さんは震えながら弁解し、後ずさりをした。
相手の猫は戦闘態勢に入ったようで頭を低くし、おしりを突き出す形になった。
ここで戦ったら自分は死んでしまう。
鋭利な爪が自分の皮膚に食い込んでいることろを想像して猫田さんは咄嗟に駆け出していた。
後ろからさっきのオス猫が走って追いかけてくる。
猫田さんは振り向かなかった。
懸命に走って走って走って、何度も車にひかれそうになりながら、どうにか学校へ戻ってきたのだ。
体育館裏へ移動しても、家族の姿はない。
ボロボロになってしまった猫田さんをなぐさめる相手はいない。
猫田さんは壁に寄り添うようにして、丸くなっていつまでも震えていたのだった。