Tear Flowers〜新しい道の始まり〜

「ありがとうございました」

シオンが頭を下げ、フィオナとエヴァンも頭を下げる。そして事務室を出て動物園内を歩いた。

「これからどうするんですか？」

エヴァンが訊ねると、「当日、動物園でアリバイがない人物を探そうと思って」とシオンが笑う。そして目を閉じた。

数十秒後、目を開けたシオンは「こっちね」とフィオナとエヴァンに言いながら歩いていく。オラウータンなど猿がいるコーナー、ライオンや虎がいる猛獣コーナーを過ぎ、蛇などの爬虫類コーナーに来た時、シオンは二人の人物の腕を掴む。

「驚かせてすみません。動物が盗まれた事件のことで話をお聞きしたいのですが……」

シオンは、飼育員であるロベリア・パスカルとジェイムズ・ヘレニウムに声をかけた。



立って話すのもあれなので、とシオンが言いロベリアとジェイムズを連れてフィオナたちは休憩するためのベンチへと移動し、話をすることになった。

「こちらをどうぞ」

リラックスした方がいいだろうと、フィオナはコーヒーを買って二人に渡す。二人がお礼を言いながら口にしたところで、シオンが口を開いた。