Tear Flowers〜新しい道の始まり〜

一緒にチェスをしたり、テレビを見たりした弟と妹は、フィオナが手を握っても反応することはない。

みんな死んでいる、フィオナの瞳から涙があふれ、「何で！？どうして！？」と誰に対してなのかわからない激しい怒りが湧いてくる。そしてフィオナは両親たちの体を泣きながら激しく揺さぶった。

すると、両親たちの着せられた服のポケットから黒いバラの花びらが落ちていった。一枚や二枚ではなく、まるで花束の花びらを全てむしったかのように、たくさんの花びらが両親たちの体にかかる。

「お父さん！お母さん！オーウェン！ヘレン！何で！？何でなの！？お昼には帰ってくるって言ったじゃない！！何で！？」

刹那、フィオナの頭の中にある映像が浮かぶ。山道を走っている車の映像だ。白のステップワゴンーーーフィオナの家の車だ。

映像が切り替わり、車の中になる。父たちが楽しそうに笑って話しており、フィオナもその場に入りたくなった。

車がカーブに差し掛かる。父はスピードを緩めようとブレーキを踏んだ。しかし、何故かブレーキが効かない。