天国と地獄
「ーー俺ちゃんと歩いてた?」

なんて、誰もが首を捻るような事を俺は言った。


寝ぼけてこんな場所まで、俺は来たのか、なんて考えた。


「ーー当たり前じゃん。
もう、2日目のデートなんだから。
今日はここに行きたいって、青が言うから来たんだよ」


そうーーーー。
行きたかった。

建設中だった新しいショッピングモールが、こんなド田舎にできる聞いて、ゴールデンウィークに出来るとか、絶対混みそうだな、って
友人と話していたっけ。


友人と来る前に、先に来て感想を伝えたらーーーー
あいつ、悔しがるだろうな、すら思った。





ピコン。







あ、LINE。




LINEを開こうと、スマホに触れる瞬間ーーひょい、と奪われてしまった。


「ちょっと!!
今日は、スマホ禁止。
でもって、没収。」




「はあ?
勝手に決めーーーー」





なんで。。





そんな泣きそうな顔してんの。

コイツ。




「青がしたいことを私がしてるの。

青の願いを私が叶えてあげてるの。

3日間だけ、私の言うこと絶対聞いて。


約束してーーーー。

デート中、これからも、3日間の間、スマホを開かないで」




勝手なことばかりな彼女。


意味が分からない。


だけど、、





「わかったよ」




頷くしか無かった。




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