Star of Galaxy
「2階へどうぞ」
カウンターの中で何か作っている福地さんは指で上を指してそう言った。
「はい」
2階は個室が2部屋ある。階段を上って行くと、その足音に気づいたのか、
「茶美、こっち」
と、手前の部屋から弦希くんの声がしたので、声のした方の部屋に入る。
「え?どういう事?」
部屋に入ると、テーブルの上に色とりどりのいろんなデザートがずらーっと並んでいた。
「どう?」
弦希くんは満面の笑みでこっちを見てるけど。
「どうしたの?このデザート」
「作ったんだよ」
「弦希くんが?」
「そう。こないだ来た時福地さんが新しいデザート作ろうと思ってるって言ってたからさ。今日、俺配達なかったんで、午前中ずっと手伝ってたんだ」
「へー。じゃ、これ試作品なんだ」
「そういう事」
「それはいいけど、私のお昼は?」
「だから、これ」
「・・・うそでしょ」
イタリアンでお昼ていったらピザかパスタって思うよね、普通。もう口がパスタを欲してるのに。甘いものだけ?
「お昼ご飯食べてからだと、これ全種類食べ切れなくなると思ってさ、おばちゃんにお昼ご飯食べずに来るように伝えてって言ったんだけど」
「・・・」
お母さんのニンマリにはこういう意味も含まれてたんだ。


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