Star of Galaxy
 全種類食べ終わるころには、レストランのお昼の営業も終わる時間になっていて、下から福地さんも上がってきた。
「どう?決まった?」
福地さんは、ほぼ食べつくされたテーブルを見ながら私の横に座る。
「今から意見聞くところです」
と、弦希くん。どれもこれもすごく美味しかった。弦希くんは食べる前に撮ったスマホの写真を私の方に向けてテーブルの上に置く。
「とりあえず、好きだったのはどれ?」
私と福地さんは同時に身を乗り出してスマホを覗き込んだ。こうやって改めてみると結構食べたな。
「えっと~、一番好きだったのは、あ、これ。このオレンジ味のジュレが乗ってるの」
「へー。意外だな」
そう言いながら福地さんが私の顔を見る。よく考えたらこんな至近距離で福地さんの顔を見るのは初めてかもしれない。顔の凹凸があって、はっきりしてる福地さんはイタリアンレストランのシェフって言ったら100人が100人納得するような顔立ち。はっきり言ってお父さんとの方が年が近いような福地さんだけど、独身だから、とても40歳には見えないくらい若くてかっこいい。ので、なんか急に緊張してきてしまう。
「そ、そうですか?」
「俺も意外だなぁ」
と、テーブルの向かい側から弦希くんの声がして、思わずハッとする。

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